歯周病の原因・症状と歯周病治療について

歯周病の原因

歯周病はいわゆる生活習慣病の一つで、細菌(バクテリア)が原因でおこる感染症です。
45歳以上の成人の90%以上が罹患しているといわれています。
歯周病が発症するにはもちろん歯がないといけません。総入れ歯(無歯顎)の方には歯周病はおこりません。あごの骨から粘膜を貫通して歯が生えているからそこが細菌のターゲットになるのです。

歯周病の症状

初期の歯周病では、ほとんど自覚症状はありません。

  • 歯ぐきからウミが出ることがある。
  • 歯がグラグラと動く感じがする。
  • 歯ぐきがむずがゆい感じがする。
  • 歯と歯の間に、よく食べ物がはさまる
  • 歯ぐきが赤く腫れたり、痛むことがある。
  • 歯を磨くときやりんごを食べたとき、歯ぐきから出血することがある。
  • 口臭があり、人から口が臭いと言われたことがある。
  • 朝起きた時、口が粘ついたり、妙な味がする。
  • 冷たい水を飲むと、むし歯もないのに歯や歯ぐきがしみて痛い。
  • 鏡で見ると、前よりも歯が長くなったように感じる。

このような症状がいわゆる歯周病の症状ですが、その前の初期症状はほとんど自覚されることはありません。しかし、歯茎からの出血は注意してください。これは初期のうちに気づくきっかけとなることが多いです。もし歯茎からの出血を自覚されたら早めに受診してください。

歯周病の進行

さきに述べたように、歯周病は歯周病菌により引き起こされる「歯周組織」の「感染症」です。
決して「年をとったからなる」ものではありません。

ニキビや毛嚢炎やそのほかの炎症と同じように、細菌感染のターゲットとなりやすい部位があります。
それが歯肉溝(しにくこう)です。

この歯肉溝に歯垢=細菌がこびりつくことによって歯周病がスタートします。


ところがこの状態を知らず知らずに放置しますと、

歯周病ポケット3mm以上

歯肉炎をおこしてしまいます。歯垢が付着して2、3日経過すると既に歯肉炎の状態になっています。歯肉に接したプラーク=細菌叢から歯肉の組織に内毒素を放出し、炎症がおこり腫れや出血がみられます。この段階で歯ブラシによって機械的に除去できれば進行はしないはず。というか直ぐに健康な状態にもどります。が、実際はこうなっていることに気づかず進行しちゃうことが多いのです。
この毒素に対して自分の身(組織)を守るために白血球がでてきます。歯肉の中の血管から水分(滲出液)が放出され、容易に出血しやすくなります。


その後も放置されると炎症は持続し、歯肉と歯とをつなぐコラーゲン繊維が破壊されます。
これによってかの有名な歯周ポケットができます。

ポケットは洋服のポケットと同じように底のほうにゴミがたまりやすく、掃除がしにくいところです。
ポケット底部では、酸素が不足し、嫌気性菌が増加。より病状は深刻になってきます。


その後形成された「歯周ポケット」はプラークを取り除くことをさらに困難にしますので、プラークはどんどん成熟していきます。ポケットの内部では「ポケット上皮」ができます。本来歯茎の裏側だったところが表になってくるということです。

このとき歯の周囲の骨(歯そう骨)の頂上付近では骨を破壊する細胞(破骨細胞)が出現し、骨はどんどん溶けてなくなってきます。
この時期には静止期と悪化期を繰り返しながら進行してゆきます。悪化期には歯周ポケットからの膿の出現が多くみられこの膿がつまると腫れて痛みを生じるようになります。


この繰り返しを行ううちに歯を支える骨(歯槽骨)や歯根膜は失われ、歯がぐらついてきます。


今まで自覚症状のなかった方も、ここまでくるとさすがに異常を感じます。
歯が長くなったような気がする、歯が動く、硬いものがかめない、といった症状です。
歯周ポケットの深さは5mmから10mmにも達することもまれではありません。

そして、最終的には歯はぬけてしまいます。

このイメージ動画がその経過です。

福岡市東区における歯周病の治療

歯周病の治療は

原因(細菌)の除去=プラークコントロール・スケーリング・ルートプレーニング

原因である歯周病菌を歯の周囲から取り除くことがまずは肝心です。もっとも基本的なのは正しい歯磨きです。

歯磨きだけで良くなる軽い歯肉炎ならいいのですが、すでに歯石になっているような沈着物は歯ブラシだけでは取り除けず、その表面についている歯垢もなくなりませんので、歯石取りが必要になってきます。歯周病が進行し、歯周ポケットが4mmを超えるようになると

力のコントロール

歯に無理な力が継続的にかかることも歯周組織を失う原因になります。噛み合わせの調整や不適合な銀歯などのほてつ物を改善することも大切です。

歯周外科

以上のような基本治療で改善がみられない重度の部位には外科的に悪いポケットを切除、あるいは磨きやすい環境を整えるために歯肉を移植したり、または歯周組織を再生するための再生療法といった歯周外科手術が必要になる場合もあります。早期に歯周外科処置を行ったほうがよい結果につながることも多くあります。

福岡市東区で歯周病治療を行う場合はきちんと検査を行い、歯周基本治療をしっかり行える医院を選ぶことが重要です。歯周外科の経験も必要でしょう。

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