歯周病が細菌が原因であることはすでにお話しましたが、細菌は細菌でもそれぞれが単独で悪さをするわけではありません。

歯周病をひきおこす細菌たちはバイオフィルムを作って共同生活を営んでおり、また、このことが歯周病を治りにくく再発しやすくしている所以でもあるのです。
細菌はこの地球上のあらゆる過酷な環境で生き延びています。僅かな水分があればどのような物質の表面にでも付着して微生物共同体を形成します。とくにラフなサーフェスであれば喜んで付着します。歯石のついた歯の根面などはもっとも喜ぶ場所といえるでしょう。付着した細菌は細胞外多糖(Extra Cellular PolySaccharides, EPS)を産生し他の細菌と共存できる環境を自ら整え複数種のコロニーが密度の低いpolymarで繋がりあたかも多核細胞生物体のように振舞うのです。これにより多種多様の環境変化に適応でき、抗生剤の効きにくい状態となるのです。

以上のような理由から、歯周病を単純に内科的に服薬だけで治療することは非常に難しく、主な治療法は機械的にバイオフィルムを破壊することが主となっているのですが、時期をみて16員環マクロライドであるジスロマックを使用することもあります。この種のマクロライドは歯周ポケット内に効果的に到達し、バイオフィルムを破壊する効果を有することが明らかになってきたためです。ただし、耐性菌ができることがとも考え、使用できる時期や用法は限られます。あくまで基本は機械的清掃が主なのです。そこで、当医院では機械的清掃の際に4ppmのオゾン水を使用してバイオフィルム破壊の効果を高めるようにしています。続けてプロフェッショナルトゥースクリーニングを受けられると徐々に効果がでてきます。